□君が生まれた日
1ページ/1ページ



1月の半ば。冬の冷たい風が頬を掠めても、今日ばっかりは気にならない。
心の中が暖かい気持ちで溢れているからかな?
ずっと、今日を楽しみにしていたんだ。
今日はとても大切な日。
風は冷たくても、空は真っ青。冬晴れのいい日だ。
彼女の家の前で空を見上げていると、ドアが開く音がしたので視線を向ける。


「鳳さん、お待たせしました!すみません、家まで迎えに来てもらっちゃって」

「おはよう、桜乃ちゃん。いいんだよ、俺がそうさせてって言ったんだし。」


出てきた彼女は駆け寄って来て、背伸びをして手を伸ばし、ちょん、と俺の頬に触れる。


「鳳さん、ほっぺが冷たいです!いつから待っていてくれたんですか?」

「そんなに待ってないよ。君も時間より前に出てきてくれたし」

「でも〜…」

「ほんとに大丈夫だから、ね?」


君に会えると思ったら、寒さなんか最初から気にならないよ。


「絶対、君より早く来ていたかったんだ。最初から最後まで、エスコートさせて欲しいから」

「鳳さん…」

「誕生日おめでとう、桜乃ちゃん。」


1月14日、今日は君が生まれた日。
そんな大切な日をこうして一緒に過ごせるなんて、なんて…幸せなんだろう。


「今日を俺と過ごしてくれてありがとう」

「それは、私が言う台詞ですよ」


君が笑うだけで、こんなにも心が弾んでいる。
1年に1度だけの大切な日。
きっと、素敵な日にしてみせる。



【君が生まれた日】

(一緒に過ごせることを、心の底から感謝して)


end


あとがき
魅都様、企画へのご参加ありがとうございました!
やっぱり鳳桜はほの甘が似合うかと思って、ほの甘を意識して書いてみました!
鳳くんはめっちゃ頑張って桜乃の誕生日を素敵な日にしてくれると思います^^


2013.0114

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ